日本国宝展@大阪市立美術館 国宝に囲まれに行ったのに大敗北した話
万博の通期パスを購入する前の暇な休日、
どこかひとりで出かけようかなと関西のイベントを検索していたら
日本国宝展という重厚で雅なイベントを見つけた。
イベントのキービジュアルには学生時代に社会の資料集でみた美術が肩を並べている。
日本史とかなにひとつ覚えてないけど、この金印は覚えてる。
漢委奴国王。テストで絶対書いたことある。
この金印、今大阪で見れるの?え!見たい!
てかこの金印、上にカエルが乗ってるんだと思ってたけど蛇らしい。
この日本国宝展どうやら人気のようで、事前に時間予約して行かなければ当日1時間以上並ぶことになるらしい。
さっそく次の週の土曜日のチケットを購入して、音声ガイドを聞くアプリもインストールした。
準備は万端。
国宝たちよ、どうか我を待ちたまへ…。
当日。
信じられないほどの大雨だった。
雨てか嵐。
今年一番じゃないのって。
悪天候極まれり。
嘘って言ってって。
まあ美術館はもちろん室内だし、言うてね。
土砂降りのなか甲子園で野球観戦したときに比べたらね。全然。ね。
大阪市立美術館は天王寺動物園のすぐ近くだった。
雨じゃなければそのあと動物園も行きたかったんだけどなあ。
大きい傘を差しながら美術館に行くと、大きい傘を差した行列ができてた。
当日券を買うなら1時間半かかるらしい。
修行かな?
案内するスタッフさんも大変そうだった。
予約入口から入り、ずぶ濡れの傘を預けていよいよ入館。
どんな国宝に会えるのかな…!
ちなみにこの日、あの金印の展示はすでに終了して、福岡に帰ってしまっていた。
この日本国宝展の企画は開催期間中に何度か展示の入れ替わりがあり、
金印は序盤の期間限定展示だった。
あのカエル、もとい蛇の金印を見れなかったのは残念だけど、他にも貴重な国宝がたくさん来てますから!と思って
楽しみに今日はやってきたわけです。
最初に謝っておきます。
ここから文句です。
愚痴です。ごめんなさい。
もうね。
国宝見に来たっていうかさ。
人しか見えないんだが。
壁にはまぎれもない国宝の絵や屏風があるはずなのに。
どこもかしこも人、人、人。
スタッフさんが、入り口は混雑するので空いている展示からもご覧いただけますーって声をかけていたんだけど、
順路がないことによりカオスに。
奥から手前に流れる人もいれば入口から奥に流れる人もいる。
人混みが苦手な私は猛烈に後悔した。
一応がんばって展示を一目見ようと流れに続くけどそうにも無秩序。
人は近いしガヤガヤ騒がしいし湿気で独特のニオイもあって、こまめに休憩しながらゆっくり進んでいた。
休憩スペースのソファにこの企画展の図録っていうのかな?写真や概要が記された本が置いてあったのでこれをパラパラみて展示を見た気になった。
もうこれでええわ‥。
最も地獄だったのは刀剣のエリア。
七星剣とかね、全然詳しくないけどかっこいいんだろうなって。名前的に。
もう今となっては全然記憶がない。
人見た記憶しかない。
そりゃそう。
順路もルールもまともな列すらないもん。
じっくり見たい人、早く見たい人、イライラする人、逆行する人で超絶混沌(エクストリーム・カオス)。
クソデカストレス。
そんな感じで基本ずっと疲れててレポもへったくれもないんですけど
そうですね、印象に残った展示もあります。
孔雀明王像
子どものときに、こういう仏教的な絵って怖くて苦手だったんですよね。
ちょっとふくよかで、目が細くて、半裸で。
腕が多かったりして。
今もこうしてPC画面でみると不気味に感じる。
でも実際に見たときに、深い祈りのために描かれたということが腑に落ちる。
優しい表情に見えるんですよね。明王さんが。
孔雀や蓮華の繊細な色使いにも目を奪われました。
印象が変わる体験をできたので、今回実物を見れて良かった。
鑑真和上坐像
これは学生時代に教科書に載ってましたねー。
実物は想像よりかなり大きかった。
ほぼ等身大で、鑑真の実際の体格に近いとされているらしい。
冷静に考えてすごい。
鑑真のサイズ感そのままで彫刻作ろう!って作り始めて完成させるのすごい。
実物見たら、本当に人間が彫刻になっちゃったみたい。
でさ、これいつ作られたとおもう?
奈良時代。
約1,200年前とか。
当時の技術やばくない?
埴輪作ってた古墳時代が1,600~1,300年前ですよ。
埴輪からこの彫刻まで200~400年とかそんなスピード感。
なにがあったん。
埴輪のときは服も着てなかったのに。
顔も目と口しかなかったのに。
鑑真さん鼻筋スーン!だった。
そして現在もめちゃくちゃ美しい。
何度か修復や補修はされているけど、それでもオリジナルの部分が非常に多い貴重な像らしい。
奈良時代やばすぎ。
古今和歌集的なもの
的なものってなに。
すみません。
作品名忘れました。
あの、ひらがなで歌的なものが書いてあったと思うんですけど
そのひらがながすごく美文字で読みやすかった。
崩し文字も多い中、はっきり現代人でも読める綺麗な文字。
じっくり眺めたかったんだけど…残念でした…。
あと紙に装飾というかうっすら模様が浮かぶ加工がされた紙に文字が書いてある文書とかあって
この紙の加工技術なに?!模様カワイイ!!
ってなったことを今思い出した。
あれはなんだったんでしょうか…可愛い紙だったな…。
薄い感想しか出てこなくてつらいんだけど、ひとつ大きな学びを得ました。
人混みの中では国宝を楽しめない。
人によるだろうけど、私はそういう人間だった。
美術館を出ると雨が上がってたので天王寺動物園に訪れました。
行きつけにしている京都市動物園では見ることのできないアニマルたちに出会えて楽しかったです。
天王寺動物園にはわたしの大好きなゴリラはいないので今回はホッキョクグマがお目当てだったんだけど
爆裂めちゃくちゃ可愛かったな…。
野生のホッキョクグマはアザラシが主食なんですよね。
ヒグマとかツキノワグマは雑食でどちらかというと植物を食べることが多いので、
ホッキョクグマは熊さんのなかでは珍しくほぼ肉食らしい。
まあ生息地的に植物無いもんね。
ホッキョクグマとペンギンってカワイイ寒いとこさんチームって感じで一緒にいそうなイメージあるけど
実際はホッキョクグマは北極に住んでてペンギンは南極に住んでるから野生で出会うことないの意外じゃない?
アザラシは北極と南極どちらにもいて、
北極ではホッキョクグマに捕食されるけど南極ではペンギンのこと捕食するんだって。
寒冷で似ている環境に見えても実際に暮らす動物たちの様子は全然違うんだなあって
こういうこと妄想して調べるのが好き。
あれ、美術館のことより動物園のことのほうがスラスラ記事が進むぞ…。
大阪市立美術館にお越しの際は、天王寺動物園にもぜひお立ち寄りください。
万博のチケット持ってたら入園料50円引きでした。
「日本国宝展」基本情報(2025)
• 展覧会名:特別展「日本国宝展」
• 会場:大阪市立美術館(天王寺公園内)
• 会期:2025年4月26日(土)〜6月15日(日)
• 開館時間:
・4月26日〜6月2日:9:30〜17:00(※土・祝は19:00まで)
・6月3日〜6月15日:9:30〜18:30(土日は19:30まで)
※入館は閉館の30分前まで
• 休館日:月曜日(ただし4月29日・5月6日は開館、翌平日休館)
• 観覧料:一般 2,400円/高大生 1,700円/小中生 500円