かじりつくそのスマホはどんな味?
前を見ないで歩く人ってたまにいるじゃないですか。
下を向いてたり、後ろを振り向きながらだったり、スマホ見ながらだったり。
いつも思うけど、あれこわくないのかな。
わたしは民度の低い町に住んでいるので、
子どもを二人乗せたママチャリが死角からノーブレーキノールックで飛び出してくることもあるし
轟音あげながら強引に追い抜いてくるおっさんドライバーもいるし
赤信号でも手を挙げて車を停めながら普通に渡ってくる歩行者のオバハンもいる。
もうね、絶対住みたくないよねって感じなので、
生きて帰りたければ隙を見せるなって感じなので、
よそ見しながら歩くとか信じられない。
だからわんちゃんの散歩も、わたしは車や自転車の多いマンション前は抱っこして歩いて、
静かなところまで連れていってから降ろして散歩するぐらい警戒してるんだけど、
あれだね。
前を見ないで歩く人って、犬みたいだ。
オヤツあげるときに犬ってオヤツから目離さないじゃん。
で、そのまま上向いてヘケヘケしながら歩いたり回ったりするじゃん。
カワイイ。とても。尊い。
なんかその感じに似てるのかなって。
足元をよく見ずに転んだ経験があっても、危ないってわかってても、気になって見てしまう。
無邪気さというより純粋さだ。
危うさと可愛さをはらんだ純粋さ。
だからきっと、こわいなんて思いはない。
見たいから見る。
そこに疑いはないんだろう。
じゃあわたしは純粋じゃないんだな、あーあ、って思ったんだけど
純粋さって、そもそも自覚することが難しいよね。
だからわたしも、自分ではさんざん警戒しているつもりだけど
無意識な注意散漫が起こりうる。
やってるつもりができてないというか、
本当の迷子は迷っていることに気付かないというか、
無自覚って、どうしようもないね。
で、なんでこんなこと考えたのかというと、
まあシンプルにさ、あぶないじゃん。
前見て歩かなきゃ。
そうそうもっと周りよく見なよーって思ったりするじゃん。
ぶつかりそうになったりしたらさ、嫌じゃん。
でも、そういう人たちにいちいち悪態ついてられないからさ、
この人は犬なんだ、って思うようにしようと。
みんなジャーキーから目が離せない犬なんだと思おうと。
そしたらなんか、かわいく思えるかもって。
で、そうなってくると、わたしも犬になりたいかもって。
なっちゃって。
犬のこと考えだしたらどんどん思考が脱線しちゃって。ね。
結論やっぱりわんちゃんって最高。